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ソリューションコラム

ペーパーレス化とは?意味やメリット・デメリット
成功しやすい方法などを紹介

ペーパーレス化は、作業の効率化やテレワーク推進、SDGsなど、さまざまな事柄につながる取り組みとして注目されています。法律が改正された影響もあり、中小企業でもデータ化された文書を使うのがスタンダードとなる時代が、目前まで来ているのかもしれません。

今回はペーパーレス化の意味やメリット・課題などを解説します。ペーパーレス化を上手に進める方法も紹介するのでぜひ参考にしてください。

ペーパーレス化の意味

ペーパーレス化とは、ICTツールを活用して紙の書類や資料を電子化し、企業等の組織が消費する紙をなくす(もしくは減らす)ことです。データの有効活用による作業の効率化、働き方改革、環境保全などにつながる取り組みとして注目されています。

ペーパーレス化の対象となる書類は、ビジネスに必須の取引文書や社内文書、会議資料、チラシ・パンフレットなど多岐に渡ります。どの書類をペーパーレス化し、どの書類を紙で残すかは、各企業の判断によります。

なお、2022年には法律(電子帳簿保存法)が改正され、ビジネス文書等の電子保存に関する要件が大幅に緩和されました。政府も企業のペーパーレス化を後押ししています。

ペーパーレス化のメリット

ペーパーレス化には、多様なメリットがあります。以下の内容に魅力を感じる人は、まずは小規模から、ペーパーレス化の推進を前向きに検討してみましょう。

作業の効率が上がる


ペーパーレス化は業務の効率化に寄与するものとして注目されています。紙資料をデータ化することで、情報へのアクセスや管理が容易になるからです。

ペーパーレス化すれば、ITツールを介してどこからでも資料が使えるようになるほか、検索やリストアップも瞬時に実行できます。作業効率が上がれば、収益性の向上にも当然つながります。


テレワークが導入しやすくなる


テレワークを推進するには、自宅からビジネス文書等にアクセスしやすい状態を作る必要があります。自宅や外出先からスムーズに情報を確認できれば、問題なくリモートに移行できます。

そのため、リモートワークを積極活用したい企業はペーパーレス化は必須です。


オフィススペースを有効活用できる


ペーパーレス化を実現すれば、紙資料を保管していたスペースを削減できます。会議打ち合わせスペースの確保で社内コミュニケーションが活性化され、リラックスエリア、集中エリアなどの新設により効率的な働き方が可能となり、会社の発展につながります。

またペーパーレス化と合わせてテレワークの推進で、フロアや建物ごとスペースを空けられれば、大幅な固定費(賃料や電気代等)の節減も可能です。


紙代や印刷代などの各種コスト削減


紙の購入や印刷、郵送などにかかる費用を減らせる、またはなくせることも、ペーパーレス化の大きなメリットです。

例えば、月の紙消費が5,000枚、なおかつ1枚あたり20円のコストがかかる会社があったとしましょう。この会社が完全なペーパーレス化を実現した場合、年120万円もの経費を節約できることになります。


資料の紛失や盗難のリスクが減る


ペーパーレス化を実現すれば、紙資料を紛失したり、盗まれたりといった物理的なリスクがなくなります。また火事や自然災害といった緊急事態でオフィスがダメージを受けても、資料をデータで他の場所に保存しておけば影響を免れます。

そのため、セキュリティ対策やBCP(事業継続計画)の一環としてもペーパーレス化は有効です。


環境保全やSDGsの取り組みにもなる


ペーパーレス化は、紙の原料である木材を節約することにつながります。また輸送に使われる石油や天然ガス、木炭などの節約、温室効果ガスの低減などにも有効です。

SDGsの目標でいうと、「7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「13 気候変動に具体的な対策を」「15 陸の豊かさも守ろう」などに貢献できます。


会社の印象アップにつながる


ペーパーレス化は、働き方改革や環境保全にもつながることから、取り組みを公表すれば会社のイメージアップにもつながります。社会的な印象が良くなれば、商品やサービスの売れ行き、リクルート、各種の審査など、多方面に好影響があります。


投資家からも注目されやすくなる


昨今は経営状況のほか、環境・社会・ガバナンスの観点を重視する「ESG投資」(環境Environment・社会Social・ガバナンスGovernanceの頭文字を取ったもので、それら3つの要素を考慮した投資方法)も盛んになってきています。そのため、ペーパーレス化で働き方改革や環境保全などに取り組めば、投資家から注目されて出資が受けやすくなる可能性が高まります。

また同様の理由から、ESGを重んじる事業者とのビジネスチャンスも生まれやすくなるでしょう。

ペーパーレス化へ向けた課題

一方、ペーパーレス化を実現するには、いくつかの課題や注意点をクリアしなければなりません。具体的には以下のような課題があげられます。


ITツール導入による効果整理と予算化


ペーパーレス化の推進には、文書管理ソフトやワークフローシステムといったITツールの導入が必要です。そのためのコストもかかります。一方、ツール導入の前に現状ワークの棚卸や無駄を省く見直しが重要です。その上でITツール導入によるコスト削減や効果整理が必要で、予算化はその後です。


既存の紙文書を電子化する工数も必要


紙の文書や資料が膨大にある場合、それらを電子化する時間や労力も考慮しておかなければなりません。具体的には情報を手入力したり、スキャンしたりといった作業が必要です。

ペーパーレス化の業務に充てる人員が足りない場合は、予算に留意しつつ、外部のサービスを活用するのも良いでしょう。


現場のストレスにつながることも


ペーパーレス化に伴うITツールの導入が、現場の社員にストレスを与える恐れもあります。典型的な例では、電子化することで資料が見にくくなる、メモがしづらくなって能率が落ちるといった問題が想定されます。

ペーパーレス化を推進するには、社員のITリテラシーを上げる施策とともに、現場の負担が少ない仕組みの検討、ツールの選定が重要です。


サイバーセキュリティの重要性が増す


ペーパーレス化によって、文書の紛失や盗難といったリスクは下がります。しかし、ハッキングやシステム障害などの危険性はむしろ大きくなります。

そのため、適切なサイバーセキュリティのために、IT人材の確保も含めて必要な体制を整備することが重要です。


ペーパーレス化できない書類も一部存在


重要事項説明書や媒介契約書、建築請負契約書など、ペーパーレス化できない書類も一部存在します。これらは法律で紙での管理が義務付けられています。

業務にかかわる文書に電子化できないものが多いと、ペーパーレス化の恩恵を十分に受けられない恐れもあるので注意しましょう。とくに不動産・建築関連では、文書の電子化に関する制約が多いので気をつけてください。

ペーパーレス化を上手に推進する方法

ペーパーレス化をスムーズに達成するには、以下のポイントを意識するのがおすすめです。

高い効果を見込める文書から徐々に始める


ペーパーレス化の実現には一定の時間とコストがかかるので、効果の高い文書から段階的に進めていくのがおすすめです。例えば、会議資料だけ電子化する、営業社員が使う資料のみデータ化するなどが良いでしょう。

小規模で試してみれば、ペーパーレス化を推進するために解決すべき自社特有の課題も見えてくるはずです。


社員が使いやすいITツールを選ぶ


ペーパーレス化の関連ツールを実際に使うのは主に現場の社員です。そのため、導入するITツールは社員の利便性を重視して選ぶのが適切だといえます。

デジタル技術に疎い社員が多い場合、ハイスペックなツールよりも、シンプルで操作が簡単なものを選んだほうが良いかもしれません。またモニターやデジタルホワイトボードなど、ITツールの活用を補助するアイテムを入れるのも有意義です。


コンサル等の支援サービスを利用する


コンサルティングをはじめとするペーパーレス化支援サービスを活用するのもおすすめです。

ICTに詳しくないと、ペーパーレス化をスムーズに進めるのは難しいといえます。また一から調べて実行すると、費やす時間や労力も大きくなってしまいます。

そのため、専門家から助言を受け、一部の導入や運用を代行してもらったほうが効率的です。プロに頼ることで、本業に十分な工数を充てつつ、無理なくペーパーレス化を実現できます。

まとめ

生産性の向上やコストの削減、イメージアップなど、ペーパーレス化の実現で会社が得られるメリットは豊富です。

またコロナ禍によるテレワークの普及も相まって、電子化の流れは加速しつつあります。取引先をはじめ、社会全体と歩調を合わせるためにも、無理のない範囲からペーパーレス化を進めていったほうが良いでしょう。

ICTの知識に自信がない、ペーパーレス化に割く時間がないといった場合は、コンサル等の導入支援サービスを活用してみてください。


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