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ソリューションコラム

働き方改革とDX|中小企業が成果を出すための考え方と具体例

働き方改革が経営課題として定着する一方で、「制度は整えたが現場は変わっていない」「期待した効果が見えにくい」と感じている中小企業の経営者や管理職の方も多いのではないでしょうか。

人手不足や業務の属人化が進む中、従来のやり方を前提にしたままでは、働き方改革が現場で機能しにくいのが実情です。こうした課題に対し、効果を発揮するのが「DX(Digital Transformation)」です。

本記事では、働き方改革とDXの関係性を整理した上で、中小企業が直面しやすい課題、DXがもたらす効果、現実的に取り組みやすい具体例や進め方などを解説します。検討や上申の判断材料として、ぜひご活用ください。

“制度だけでは変わらない”働き方改革を成功させる鍵はDX

働き方改革を単なる制度の導入にとどめず、現場の業務や情報の流れまでを見直す取り組みにするには、DXの活用が欠かせません。ここでは、働き方改革とDXの関係性について解説します

働き方改革が求められる背景と目的


働き方改革は、長時間労働の是正や多様な働き方の実現を通じて、企業の生産性と職場の働きやすさを両立させる取り組みです。人手不足が進む中で、限られた人員でも事業を安定的に遂行できる体制づくりが求められます。

例えば、有給取得を促しても業務が属人化していると、特定の担当者に負担が集中し、取り組み自体が形骸化してしまう可能性があるでしょう。有給取得率といった数値目標にとらわれるのではなく、業務の進め方を含めて見直し、継続的に成果を生み出せる働き方につなげる視点が重要です。

※働き方改革に関する政府の取り組みについては、こちらをご覧ください。
 ▶厚生労働省「働き方改革の実現に向けて」

DXが働き方改革の手段として重要視される理由


DXは、デジタル技術で業務や情報の流れを見直し、仕事の進め方そのものを変える考え方です。働き方改革の施策(テレワークや柔軟な勤務制度など)も、業務が紙や対面前提のままだと定着しにくくなります。

また、社内の申請、承認、問い合わせ対応などが人に依存していると、テレワークを導入しても、場所が変わっただけで作業負荷は変わりません。DXで業務を標準化・可視化することで、改革の効果が出やすくなり、改善も継続しやすくなります。

※DXについて詳しくは、こちらをご覧ください。
 ▶経済産業省ミラサポplus「担当者に聞く【DXとは】」

制度改革だけでは課題解決につながらない理由


制度改革は、勤務時間や働き方のルールを整える点では有効ですが、それだけで業務の実態が変わるわけではありません。現場の業務量や役割分担が従来のままであれば、制度に合わせた働き方を選択しにくい状況が続きます。

テレワークを認めていても、急な確認や判断が特定の人に集中していると、結果的に出社せざるを得なくなる場合もあるでしょう。

制度が機能するかどうかは、現場の業務の進め方に左右されます。

そのため、「業務の偏り」や「プロセスの属人化」を同時に見直すことが欠かせません。

中小企業がつまずく3つの落とし穴(人手不足・属人化・業務の不透明さ)

中小企業では、人手不足や属人化が重なり、現場の負担が偏りやすくなります。ここでは、現状と課題を整理し、働き方改革が必要な理由を解説します。

人手不足や属人化が進む中小企業の現状


中小企業では、人手不足の中で日々の業務を回すため、仕事が特定の担当者に偏りやすくなります。引き継ぎ資料が不十分だったり、判断基準が共有されていなかったりすると、担当者が休むだけで業務が滞ってしまう状況です。

例えば、総務が少人数の職場では、申請対応や問い合わせが特定の人に集中し、改善の時間が取れません。まずは「誰がいないと業務が回らないか」を整理することが、課題整理の出発点になります。

業務負荷が特定の人に集中しやすい職場の課題


業務負荷が一部の人に集中すると、残業が増えるだけでなく、ミスや対応の遅れが起きやすくなります。担当者が忙しいほど周囲は頼りきりになり、改善提案も属人的になりがちです。

「この人に聞けば早い」という状態が続くと、手順が標準化されず、問い合わせが減らないでしょう。負荷の偏りは個人の努力では解消しにくいため、業務の見える化や役割分担の見直しが必要です。

課題解決のために働き方改革が必要とされる理由


働き方改革は、労働時間を減らすだけの施策ではありません。限られた人数でも成果を出せるように、業務の進め方や職場環境を整える取り組みです。

また、制度だけ整えても、業務量や企業文化が変わらなければ形骸化します。例えば、残業削減を掲げても、仕事の割り振りが変わらなければ、現場に無理が生じるだけに終わってしまうでしょう。

経営戦略の一環として働き方改革に取り組むことで、人材定着や生産性向上につながりやすくなります。

DX導入で現場が変わる──成果を生む3つの効果とは

DXは、業務のやり方や情報の流れを見直し、働き方改革の施策を「現場で使える形」に変えます。ここでは、生産性、QOL、活性化の3つの効果について解説します。

業務効率化による生産性向上の効果


DXは、紙や手作業で実施していた業務をデジタル化し、ムダな時間を減らすことで生産性を高めます。DXによってデータが一元化されると、確認や集計、承認の待ち時間が短くなり、判断を早めることが可能です。

例えば、「申請書を探す」「転記する」「差し戻しの理由を確認して再対応する」などの作業が減れば、担当者は本来の業務に時間を使えます。結果として、限られた人数でも業務を回しやすくなり、働き方改革を確実に進めやすくなるでしょう。

職場環境の改善と従業員QOLへの影響


DXに取り組めば、働く場所や時間の柔軟性が高まるだけでなく、日々のストレス要因を減らし、職場環境の改善にもつなげることが可能です。また、情報が探しやすくなり、連絡の行き違いやムダな手戻りも減らせるでしょう。

例えば、問い合わせ先が明確で対応履歴が残る仕組みがあると、「誰が・いつ・どこまで対応したか」が把握でき、個人に責任や確認が集中しにくくなります。

こうした環境は、仕事と生活の満足度を示すQOL(Quality of Life)の向上に寄与し、従業員の定着にも良い影響を与えます。

※QOLについて詳しくは、こちらをご覧ください。
 ▶厚生労働省「厚生労働白書」

組織全体の活性化につながるDXの役割


DXでは、個人の効率化にとどまらず、部門をまたぐ情報共有を整え、組織全体の活性化も可能です。業務状況や進捗が共有されると、部門間での相談や連携が可能となり、より的確な判断につなげやすくなります。

例えば、会議の直前に各部門が個別に資料を集めるのではなく、日常的に情報が共有されていれば、共通認識を持ったうえで意思決定を進めることが可能です。その結果、部門間の連携が強まり、組織としての対応力や変化への適応力が高まりやすくなります。

明日から始められる「小さなDX」実践例

DXは、大がかりなシステム刷新だけではありません。オフィス業務の中には、比較的小さな見直しで効果が表れやすい領域も多くあります。ここでは、身近なDXの具体例や取り組みやすい工夫などについて解説します。

オフィス業務の改善につながるDXの具体例


オフィス業務は、情報の探し直しや調整待ちが多く、DXで改善しやすい領域です。例えば、会議室や備品の予約をオンライン化すると、空予約や二重予約が減り、調整の手間を軽減できます。また、在席状況を共有できれば、担当者を探す時間が短くなり、連絡の行き違いも起きにくくなるでしょう。

こうした改善は、残業の抑制や業務の平準化につながり、働き方改革を現場で進めやすくします。

中小企業でも取り組みやすいDXの工夫


中小企業がDXを進めるときは、最初から全社を対象にするのではなく、効果が見えやすい業務から着手するのが現実的です。対象を絞ると、現場の負担を抑えながら運用の定着まで確認ができます。

例えば、伝言メモや行先確認を、紙やホワイトボードからオンラインに変えるだけでも、伝達漏れや探し回りを減らせるでしょう。小さな改善を積み重ね、次の対象へ広げていく進め方が失敗しない工夫になります。

働き方改革を進めるためのDX推進の考え方


DXは導入そのものが目的ではなく、働き方改革の目的に合う形で業務を変えることが重要です。まず「何を改善したいか」を言語化し、関係者の役割と運用ルールまで決めると、形骸化を防げるでしょう。

業務負荷が要因で推進が難しい場合は、業務負担を抑える支援策も選択肢として用意しておくのも有効です。例えば、弊社のCoCoシリーズでは、在席確認や施設予約など、オフィスの困りごとに対応する仕組みを提供しています。

目的と現場の状況を照らし合わせながら、無理のない形で進めることがDXを継続させるポイントとなります。

【あわせて読みたい】▶ICTで働き方を加速させるCoCoシリーズ

まとめ

働き方改革は、制度を整えるだけでは成果につながらず、実際の業務や情報の流れまでを含めて見直すことが重要です。その手段としてDXを活用すれば、業務の効率化や職場環境の改善を通じて、生産性向上や従業員のQOL向上が期待できます。

特に中小企業では、人手不足や属人化といった課題を踏まえ、小さなDXの取り組みから始めるのが現実的と言えるでしょう。自社の課題に合った進め方を選び、継続的に改善を重ねることが、働き方改革を定着させるポイントになります。


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